2021 年 46 巻 1 号 p. 79-84
デスモイド腫瘍は組織学的には良性であるが,臨床的には良悪性境界腫瘍に位置づけられ,癌の再発との鑑別に難渋する.症例1は65歳男性.2016年7月直腸癌に対し術前化学放射線治療後に腹腔鏡下根治術を施行した.病理診断はT2N0M0,ypStage Ⅰであった.2018年11月CT検査で骨盤内腫瘍を指摘された.MRIおよびPET-CT検査にて,癌の再発および線維成分の豊富な腫瘍(デスモイドなど)が疑われた.生検を施行し腹腔内デスモイドと診断後,腹腔鏡下切除術を施行した.症例2は61歳男性.2017年7月直腸癌に対し術前化学放射線治療後に腹腔鏡下根治術を施行した.病理診断はT2N1aM0,ypStage Ⅲaであった.2019年11月腹部超音波検査にて下腹部に腫瘤を指摘された.MRIおよびPET-CT検査にて,癌の再発および腸間膜Gastrointestinal stromal tumor(GIST)疑いと診断された.腹腔鏡下切除術を施行し腹腔内デスモイドと診断された.いずれも2020年9月現在,無再発生存中である.