2023 年 48 巻 2 号 p. 130-136
虫垂杯細胞型カルチノイド(goblet cell carcinoid,以下GCC)は虫垂に発生する稀な腫瘍である.今回,虫垂GCCの2症例を経験したので報告する.症例1は,88歳女性.右下腹部腫瘤触知とるい痩を主訴に紹介され,内視鏡検査の生検でカルチノイドと診断された.本人は手術を希望されず,超高齢でもあり,放射線療法の方針となった.腫瘍は縮小し,症状の改善もみられ,約2年間は良好な生活の質が保てた.その後腸閉塞症状で緊急入院となり,回盲部切除術・D3郭清を行い,虫垂杯細胞型カルチノイド由来腺癌と診断された,術後5カ月目に局所再発し,13カ月目に原病死された.症例2は57歳男性.急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術後に虫垂GCCと診断された.2期的に腹腔鏡下回盲部切除術・D3郭清を施行し,術後3年8カ月の現在無再発生存中である.