日本外科系連合学会誌
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症例報告
難治性腹水を生ずるA-P shuntを伴う超巨大肝血管腫に対する集学的治療経験
松井 雄基小坂 久松島 英之石崎 守彦松井 康輔水田 昇長尾 泰孝狩谷 秀治関本 貢嗣海堀 昌樹
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2023 年 48 巻 2 号 p. 144-149

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抄録

肝腎機能低下を認め,大量の難治性腹水を生じるarterioportal shunt(動脈門脈シャント:以下,A-P shunt)を伴う超巨大肝血管腫に対し,Transcatheter Arterial Embolization(肝動脈塞栓療法:以下,TAE)を3回にわたり施行して,A-P shuntを改善させることにより門脈圧低下,肝・腎機能を改善させ,腹腔鏡下肝切除を行い治癒に至った症例を経験した.症例は79歳女性,心窩部痛,腹部膨満を主訴に近医受診され,自己免疫性肝炎と肝外側区域にA-P shuntを伴う超巨大肝血管腫の診断を受けた.利尿剤内服に加え,腹水穿刺を施行するも腹水コントロール不良であり,当院へ紹介受診となった.TAEを3回施行した後,A-P shuntの血流量が減少し,肝・腎機能が改善し腹水も消失した.その後,腹腔鏡下肝外側区域切除を行い,術後10日目に,術後合併症なく退院した.術後15カ月後の観察にて,腹水の再燃や血管腫の再発,また肝腎機能の低下なく経過している.

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© 2023 日本外科系連合学会
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