日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
緊急手術となった虫垂真性憩室穿通の1例
中西 紘一竹村 哲櫻井 康弘西森 武雄
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 49 巻 2 号 p. 60-65

詳細
抄録

症例は46歳,男性.右下腹部痛を主訴に当院救急外来を受診され,急性虫垂炎の診断で内科へ入院となり,保存的加療が開始された.翌日右下腹部に腹膜刺激症状がみられ,虫垂穿孔疑いで当科へ紹介され緊急手術となった.腹腔内に膿瘍形成はみられず,腫大した虫垂が回腸末端,後腹膜へ癒着していた.虫垂間膜を把持すると膿性排液が少量流出したが穿孔はみられなかったため,虫垂切除術を行った.肉眼所見では,虫垂体部の虫垂間膜側に憩室がみられたが,憩室の穿孔や周囲に膿瘍形成は認められなかった.病理組織検査で虫垂憩室は筋層を有する真性憩室であり,憩室先端に高度の好中球浸潤がみられ,虫垂真性憩室穿通と診断した.経過良好で術後5日目に退院した.虫垂憩室は稀な疾患であり,その中でも真性憩室は0.02%と極めて稀である.今回われわれは,術前診断が困難であった虫垂真性憩室穿通の1例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 2024 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top