2024 年 49 巻 2 号 p. 66-70
症例は82歳女性,他院で施行した腹部レントゲン検査で異物が偶然指摘され,当院を紹介受診した.造影CT検査で下行結腸内に高吸収の異物を認め,先端が左腹壁に迷入している可能性が示唆された.炎症反応の上昇を認めず,腹部所見にも異常を認めなかったため,緊急手術の適応はないと判断し,入院の上で精査加療の方針とした.入院後に施行した下部消化管内視鏡検査で,下行結腸内に先端が憩室に迷入した釘のような金属片を認めた.金属片の可動性は不良であり,腹壁への穿通も疑われたため,外科的手術による異物除去の方針とした.腹腔鏡下で外側アプローチによる左側結腸の授動を行った後,透視下内視鏡により異物を確認したところ,授動の操作により異物の嵌頓は解除され,異物は口側に移動していた.内視鏡下で把持鉗子を用いて異物を除去し,体腔外で迷入していたとみられる憩室を楔状に切除した.術後経過は良好で,第13病日に退院された.