2024 年 49 巻 2 号 p. 71-76
症例は76歳,女性.70歳時に近医より直腸癌,転移性肺腫瘍に対する加療目的で紹介され,人工肛門造設後に化学療法を施行し後方骨盤内蔵全摘術を施行した.71歳時に肺転移に胸腔鏡下左右肺切除施行し,骨盤腔の局所再発に対し腫瘍摘出術を施行した.化学療法は継続していたが,76歳時のCT所見で膵体尾部に不整な造影不良域を認め,原発性膵癌と診断し膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的所見では膵体尾部を主座とした白色充実性腫瘤であり中心部に凝固壊死の目立つ腫瘍組織であった.免疫染色でCK7陰性,CK20陽性であり大腸癌膵転移と診断した.術後は問題なく経過し退院され術後4カ月経過しているが明らかな再発は認めていない.直腸癌の膵転移は稀であり若干の文献的考察を加え報告する.