2024 年 49 巻 5 号 p. 448-453
症例は70歳女性.直腸癌に対して腹腔鏡下直腸切除後,15カ月目に右外陰部の皮膚に腫瘤を認めた.腫瘍マーカーCEAが10.3 ng /mlと上昇し,CT検査で膣と直腸に接する造影効果を伴う腫瘤を右外陰部に認め,局所再発を疑った.Panitumumab + mFOLFOX6 による化学療法を計12クール行い,腫瘍の縮小が維持され単発であったため切除の方針とした.生検で大腸癌皮膚転移が疑われ,全身麻酔下に局所切除した.病理組織学的検索の結果,大腸癌に類似した細胞が,真皮から皮下脂肪組織に存在し,表皮に露出していた.断端は陰性で脈管侵襲は認めなかった.免疫染色ではCK20(+),CDX2(+),SATB2(+),CK7(-)であり大腸癌皮膚転移の診断となった.術後補助化学療法は行わず,術後1年5カ月現在,再発は認めていない.大腸癌の会陰皮膚転移の報告は,本邦では4例目であった.