日本外科系連合学会誌
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症例報告
再手術が有効であった腹腔鏡下噴門側胃切除術後の難治性逆流性食道炎の1例
大嶋 侑平鳥海 哲郎櫻本 信一小山 勇
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2024 年 49 巻 5 号 p. 441-447

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抄録

症例は70歳代男性,胃癌に対して腹腔鏡下噴門側胃切除術,ダブルトラクト再建を施行した.術後3カ月頃より胸やけが出現し,上部消化管内視鏡検査ではLA分類Grade Cの逆流性食道炎を認めた.薬物治療で症状改善せず,食事摂取量も減り,体重は41㎏(術前72㎏)まで減少した.術後5年間症状改善はなく,手術方針となった.術前に行った食道インピーダンスpHモニタリング(MⅡ/pH)では逆流液体成分にpHの低下はなく,十二指腸液が逆流性食道炎の原因と考えられた.手術は残胃全摘術,Y脚再吻合術(前回手術の吻合部より20cm肛門側)を施行した.術後,症状は消失し,上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎は治癒,体重も49kgまで増加した.今回われわれは,再手術で治癒した噴門側胃切除術後の難治性逆流性食道炎の1例を経験した.胃切除術後の難治性逆流性食道炎に対しては再手術が治療選択肢の一つである.また,MⅡ/pH検査はこのような患者の診断,手術適応の決定において有用である可能性が示された.

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