1995 年 20 巻 4 号 p. 263-266
Duplex scanを用いて, ITAの内径および流量を計測し,術前のグラフト適性と,術後の血行動態の評価について検討した。術前の対象は, 25歳から84歳の成人50例である。術後の対象はCABG術後の18例で, 左ITAをLADに使用した。Acuson 128を用い, 仰臥位で第3肋間よりカラードプラー法を用いて左右のITAを描出した。さらにパルスドプラー法にて平均流速を求めた。【結果】術前 : 50例中49例 (98%) で, ITAの検出が可能であった。左ITAは内径2.23mm, 流量49.1ml/min, 右ITAは内径2.34m, 流量56.7ml/minであり, 右は左に比べ内径, 流量とも有意に大であった。術後 : 18例中13例 (72%) でITAグラフトの検出が可能であった。最高流速は30cm/s, 平均流速は17cm/s, 内径は2.2mm, 流量は40ml/minであった。【結論】duplex scanを用いたITAグラフトの非侵襲的評価は術前後で有用だった。