1995 年 20 巻 4 号 p. 290-296
抗男性ホルモン療法施行後再燃した前立腺癌14例およびホルモン抵抗性前立腺癌2例の合計16例の進行性前立腺癌stage D症例に対して, ヒト前立腺癌樹立細胞株を用いたclonogenic assay法による抗癌剤感受性試験の結果より得ている抗腫瘍作用の高いcarboquone, adriamycin, cis-platinumの3剤併用化学療法を施行した。近接効果について, 本邦前立腺癌の治療効果判定基準に準じての総合効果判定ではpartial response (PR) 3例, stable disease (Stable) 9例, progressive disease (PD) 4例であった。PR症例およびStable症例の平均効果持続期間は, それぞれ12.7±7.6カ月, 11.2±5.8カ月であり, またPR+Stable症例はPD症例に比し有意に生存期間の延長を認め (P<0.001), 予後が良好であった。副作用として, 食欲不振, 悪心, 脱毛, 造血器障害などが認められたが, いずれも中等度以下であった。