日本外科系連合学会誌
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経尿道的切除を行った膀胱癌の臨床的検討
三方 律治
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1995 年 20 巻 4 号 p. 297-300

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抄録

浸潤が浅部筋層までの未治療膀胱癌73例に対して初回外科的治療として経尿道的切除術を行った。男61 例, 女12例で, 年齢は29から87歳 (平均64.8歳) であった。G分類ではG1が9例, G2が40例とG3が28例で, T分類ではTaが6例, T1が50例とT2が17例であった。 全73例の累積再発率をKaplan-Maier求めた。1年再発率は41.0%, 2年再発率は60.5%, 3年再発率は69.4%, で再発しない期間は平均769日 (標準誤差99日) であった。G1症例の再発率はG2, G3症例にくらべ有意 (P=0.0345) に低率であったが, T分類別では差を認めなかった。反面5年生存率は81%と高率であった。 浸潤が浅い膀胱癌の治療法として経尿道的切除術は優れているが, 今後は再発防止法の検討が必要であることを考察した。

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