1995 年 20 巻 4 号 p. 301-308
体表リンパ節に対する良悪性の鑑別診断は, Bモード法のみでは困難である。著者はカラードプラ法によるリンパ節内血流パターンの観察を行い, Bモード法も加えた独自の診断基準を作成し検討を行った。その結果, 癌転移リンパ節, 悪性リンパ腫, 炎症性リンパ節のそれぞれに特徴ある所見を見出し, 46例に対しprospective studyを施行した結果, overall accuracyは93%と非常に良好であった。特に炎症性リンパ節のsensitivity, specincityはともに100%で, 良悪性の鑑別診断が可能と考えられた。Bモード法では大きさや扁平度より, リンパ節門の所見が良悪性の鑑別診断に有用であった。同時に施行したリンパ節内拍動流の波形分析ではResistance Indexが癌転移リンパ節と炎症性リンパ節間に有意差を認めたが診断率は低く, カラードプラ法を用いた血流パターン分類を中心にした鑑別診断法が最も有用であると考えられた。