日本外科系連合学会誌
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早期食道癌に対する縦隔鏡補助下非開胸食道抜去術の経験
成高 義彦小川 健治島川 武我妻 美久石川 信也今野 宗一若杉 慎司渡辺 俊明細川 俊彦勝部 隆男芳賀 駿介梶原 哲郎
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1995 年 20 巻 4 号 p. 309-313

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抄録

従来の非開胸食道抜去術の盲目的な手術操作を回避する目的で, 縦隔鏡を用いてテレビモニターの観察下に非開胸食道抜去術を試み, 良好な結果がえられたので報告する。 症例は72歳の男性, Imの早期食道癌および噴門部胃癌の重複癌である。手術は正中切開にて開腹, 噴門側胃切除を施行したのち, 後縦隔を開大し, 腹腔鏡の器械を用いて直視下にて食道を気管分岐部の近くまで剥離した。次に左頚部の切開創から縦隔鏡を食道の後壁, 側壁に沿わせて挿入し剥離を進め, 細い血管は電気凝固して切離した。食道前壁の剥離操作はやや困難なため, vein stripperを腹腔側より挿入, 先端を食道断端の外側に固定し, 腹腔側へ反転牽引し, 縦隔鏡下で止血操作を行いつつ抜去した。食道抜去操作による出血は50ml程度であった。 本術式は盲目的操作に起因する合併症を減少させることが可能で, よりpoor riskの症例や高齢者症例への応用が期待される。

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