抄録
外科と泌尿器科で行う共同手術としては下腹部の手術が一般的であるが, 上腹部の手術も最近増えてきた。1991年から1996年の間に6例を経験した。腎癌が5例, 後腹膜の悪性組織球腫が1例であった。腎癌に関しては下大静脈腫瘍塞栓摘除が3例, 肝転移が1例, 膵尾切除術が1例であった。悪性組織球腫では肝右葉部分切除術と右腎摘を行った。良視野を得るために4例に開胸術が必要であった。泌尿器科主体の手術が多かった。手術時間は3例が8時間を超えた。出血量も2例で5,000g以上の大量出血をみた。手術死亡はなく, 1例が肺塞栓疑いで急死したほか, 延命かつQOLも良好に保っている。両科共同で診断, 術式の検討, 手術, 週術期管理を行い, 進行癌の治療に当たることは有意義であると考えた。