抄録
本邦において1995年から始まった前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺電気蒸散による手術法は, 従来のTURのループ電極に3列の溝を持つ回転型円筒状ローラーを装備し, 使用電力を増量したに過ぎないが, 1) 出血が極めて少ない, 2) ほとんどの症例で2日以内に留置カテーテルを抜去できる, 3) カテーテル抜去後, 直ちに症状の改善がみられる, 4) レーザーによる治療に比し安価, であり総合評価において従来のTURのみならず側射レーザーファイバー前立腺切除術に対しても優れていると思われる。われわれは1995年4月より本術式を採用し, かつ原法より高い電力を用い, 手術台を頭側上位とし膀胱瘻を置く工夫を加え手術時間を短縮でき, 73例において満足の行く結果を得た。本法はハイリスクの患者にも安心して行える有用な手術法で, 少なくともEvaporationを主体としたレーザー照射機器の価格が著しく安価となるまでは普及し続けると思われる。