日本外科系連合学会誌
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嚢胞内容液中の腫瘍マーカー (CEA, CA125) が高値を示した後腹膜曩胞の1例
村國 均柴 忠明小澤 哲朗山口 宗之蛭田 啓之亀田 典章
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キーワード: 後腹膜漿液性嚢胞
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1998 年 23 巻 2 号 p. 308-312

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抄録
48歳の女性。鈍痛を伴う下腹部腫瘤で受診。US,CT,MRIなどにより後腹膜漿液性嚢胞を疑い開腹した。9×7×11cm大の単房性嚢胞で周囲組織との癒着はなく摘出は比較的容易であった。術後の嚢胞内容液のCEA,CA125を測定したところ著明に増加していた。組織学的には嚢胞壁は異型性のない単層円柱上皮に被われた嚢胞腺腫であった。免疫組織学的検討によりCEA,CA125ならびにCA19-9は嚢胞壁に陽性であった。組織学的に良性であることから発生起源としてミュラー管などの胎生期遺残物の関与を想定している。
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