日本外科系連合学会誌
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Tissue engineeringを応用した肝組織の再構築
宮澤 光男小山 勇
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2003 年 28 巻 2 号 p. 171-174

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抄録

Tissue engineeringによって肝組織を再構築するためには, 細胞, 細胞の足場となる基質 (scaffold), 細胞を接着させる環境を適当に機能させることが必要である。このうち細胞選択のための研究はかなり進歩してきているが, 特に, 細胞の接着性, 動態をどのように制御するかというようなscaffoldと細胞との環境を整備する研究が遅れている。肝組織再構築のためにはscaffold内において肝細胞がどのような動態を示すかを解明し, 自由に接着させる方法を開発することが必要である。さらに, 近未来には, tissue engineeringの構造物として, 生物学的シグナルも組み込んだ, 生態系や生細胞と共存できるscaffold作製が期待される。

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