日本外科系連合学会誌
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Meckel憩室に起因した成人絞扼性イレウスの1例
佐々木 啓成和田 敏史森谷 雅人水村 泰夫山本 啓一郎向出 将人土田 明彦青木 達哉小柳 泰久
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2004 年 29 巻 1 号 p. 64-67

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抄録

Meckel憩室は, 剖検例の1~2%にみられる消化管の奇形であるが, 多くは無症状に経過する。今回われわれは, Meckel憩室を起因とした絞扼性イレウスに対する手術を経験したので文献的考察を加えて報告する。症例は45歳, 男性。上腹部痛を主訴に来院。来院時の所見では, 腹部は膨満し板状硬を呈しており筋性防御をともなっていた。腹部CTにて絞扼性イレウス, 小腸壊死を疑い緊急手術施行した。術中所見ではMeckel憩室の先端が近傍の小腸間膜に癒着した結果, リングが形成され, そこに回腸が入り込み絞扼され壊死性変化を来していた。手術は, Meckel憩室を含み壊死性腸管を切除した。病理組織学検査では憩室は腸管の全層を有しMeckel憩室と診断された。憩室には索状組織を認めず, 炎症をおこした憩室の頂部が腸間膜に癒着した結果, リングを形成しそこに回腸が入り込み回腸ループの基部を絞扼したものと考えられた。

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