2004 年 29 巻 1 号 p. 77-80
84歳, 女性。主訴は腹痛。老人性痴呆がありデイケアサービスを利用していた。ピーナッツを大量摂取した後より食欲不振となり, 6日後に腹痛出現し, 近医より当科紹介となる。腹部CT検査にて遊離ガスを認め, 穿孔性腹膜炎の診断にて緊急手術を施行した。開腹時, 回盲部が回結腸動脈を中心に反時計回りに360度捻転し, 穿孔を認めた。回盲部切除施行し, 術後よりエンドトキシン吸着療法とシベレスタットNaの持続点滴投与を開始し, 良好な術後経過を得た。盲腸軸捻転症は術前診断が困難で, 穿孔発症した場合の予後は不良である。本症例に文献的考察を加え報告する。