日本外科系連合学会誌
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胆嚢結腸瘻経路による胆石イレウスの1例
村永 誠一内藤 昌明高橋 典彦近藤 正道松下 通明
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2004 年 29 巻 1 号 p. 94-98

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抄録

胆嚢結腸瘻を排出経路とする胆石イレウス症例は稀である。一過性に亜イレウス症状を呈し, 術前に排出経路を確定しえた1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する。症例は78歳, 女性。平成14年9月末, 断続的腹痛が出現し, 10月2日, 当院内科に入院した。腹部単純X線写真でniveau, pneumobiliaの所見と共に左下腹部に約5cmの石灰化像を認めた。この石灰化病変はCT検査でS状結腸内にあり, 造影剤注入下の用手的圧排により軽度可動性を認めた。胆石による亜イレウスと診断し, 17日, 外科に転科した。連日の下剤投与を行い, 20日, 肛門より6.5×3.7×3.5cmの結石が排出された。結石排出径路である胆嚢横行結腸瘻を, 術前の注腸造影で確認した上で, 10月25日, 横行結腸部分切除を伴う胆嚢および瘻孔切除術を施行した。術後経過は良好で, 術後18日目に軽快退院した。

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