症例は68歳女性で, 検診にて便潜血陽性を指摘され当院を受診された。注腸検査, 大腸内視鏡検査にて上行結腸に直径約4cm大の粘膜下腫瘍を認めた。生検にてGroup2であったが, Gaシンチにて集積像を認め, sarcomaあるいはlymphomaが疑われた。CT検査, 超音波検査では腹腔内リンパ節腫大, 他臓器病変は認めず。本症例に対し, D3郭清による腹腔鏡補助下結腸右半切除術が施行された。病理学的検査にてmalignant lymphoma, diffuse, small, B cell typeと診断された。術後化学療法施行され, 現在外来通院中である。大腸原発悪性リンパ腫 (primary colorectal malignant lymphoma;以下PCMLと略記) は稀であり, 腹腔鏡手術により切除された報告は少ない。以上の症例に文献的考察を加えて報告する。