日本外科系連合学会誌
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大腸癌におけるorotate phosphoribosyl transferase (OPRT) 酵素活性とsingle nucleotide polymorphisms (SNPs) の相関についての検討
瀧田 尚仁北島 政幸北村 大介前多 力山本 哲朗坂本 一博落合 匠鎌野 俊紀
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キーワード: 一塩基多型, 大腸癌
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2005 年 30 巻 6 号 p. 836-840

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抄録

Orotate phosphoribosyl transferase (OPRT) 酵素活性とフッ化ピリミジン系抗癌剤 (5-FU) の効果には正の相関があると報告されている。今回われわれは大腸癌において, OPRT酵素活性とOPRTの翻訳領域に存在するSNPから, 5-FU効果予測の可能性を検討した。対象は2003年12月~2004年7月の期間に, 当科にて外科的切除が行われた大腸癌35例。正常部, 腫瘍部のOPRT活性値 (nmol/min/mg) をradioassay法にて測定し, 末梢血のSNPはinvader法にて解析した。SNPは638G/C, 1050T/A, 1336A/Gの三種類を用い, OPRT酵素活性との関連性を検討した。OPRT酵素活性は正常部に比べ腫瘍部で有意に高かった。三種類のSNPにおいて, OPRT酵素活性に有意差は認められなかった。OPRT酵素活性と今回の三種類のSNPとの間に関連性は認められず, これらの今回検討したSNPから5-FU効果を予測することは困難であると考えられた。

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