日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
術後肝転移再発に対しimatinib mesylate (STI571) が奏効した胃gastrointestinal stromal tumorの1例
倉本 正文蓮尾 友伸石原 光二郎池嶋 聡岩槻 政晃島田 信也
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 30 巻 6 号 p. 862-866

詳細
抄録

今回われわれは術後多発肝転移再発に対してimatinib mesylate (STI571) が著効した胃GISTの1例を経験したので報告する。症例は71歳女性。大腸ポリープ切除後の定期検査目的で来院され, その際に左上腹部に大きさ約9cmの腫瘤を指摘された。諸精査にて胃粘膜下腫瘍と診断し, 平成12年7月5日, 胃部分切除術施行した。病理学的検索にてc-kit陽性で, 胃GISTと診断された。術後3年後に多発肝転移再発を認めたため, imatinib mesylate内服療法 (400mg/day) 開始した。投与2カ月後には転移巣は著明に縮小した。3カ月後には顔面, 四肢に浮腫を認めたため, 300mg/dayに減量した。24カ月経過した現在も効果は継続しており, 外来通院加療中である。

著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top