日本外科系連合学会誌
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幽門側胃切除術における予防的抗生物質投与法の検討
冨田 広梨本 篤
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2006 年 31 巻 1 号 p. 20-23

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抄録
緒言 : 当科では胃癌に対する幽門側胃切除術 (幽切) のクリニカルパス (CP) を評価, 改定を加えながら運用している。予防的抗生物質投与法については変遷を辿ってきており, 現在はセファゾリンナトリウム (CEZ) を術当日投与するのみとしているので, 抗生物質投与法の妥当性について検討した。方法 : 2001年1月から10月までの幽切109例をフロモキセフナトリウム (FMOX) 4日投与群 (A群), 2001年10月から2002年10月までの137例をFMOX1日投与群 (B群), 2003年4月から10月までの102例をCEZ1日投与群 (C群) とし, 3群の術後合併症および手術部位感染 (SSI) 発生状況を比較検討した。結果 : 術後合併症発生率, SSI発生率は3群間に差はなく, C群のSSI発生症例でも重症感染症例はなかった.幽切において予防的抗生物質投与はCEZ手術当日のみの投与で問題はなく, その後発症した感染症に対しても, 適正な抗生物質を投与することにより対応可能であった。
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