抄録
胆嚢切石術既往症例3例に対して, 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行したので報告する。症例1は42歳の女性で, 25年前に急性胆嚢炎で胆嚢切石術を受けた。胆嚢結石症と診断し, 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。症例2は73歳の女性で, 18年に急1生胆嚢炎で胆嚢切石術を受けた。慢性胆嚢炎と診断し, 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。症例3は61歳の女性で, 42年前に急性胆嚢炎で胆嚢切石術を受けた。急性胆嚢炎と診断し, 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。胆嚢切石術既往症例3例に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の平均手術時間は76.7分, 平均出血量は約30mlであった。また術中および術後に偶発症はなく, 平均術後入院期間は6.7日で, 通常の腹腔鏡下手術例と同様に, 早期の退院や会復帰が可能であった。以上の結果から, 胆嚢切石術既往症例に対しても, 手術侵襲の少ない腹腔鏡下胆嚢摘出術を試行する意義があると考える。