2004 年 3 巻 4 号 p. 203-210
自由化路線とNAFTAの締結により、メキシコは世界で第9番目の自動車生産国となった。しかし、メキシコにおける自動車生産台数の約7割は輸出され、その相手国としてアメリカにきわめて大きく依存している。現在、メキシコには8社の外資系完成車メーカーの下に約600社のサプライヤーが存在する。そのうちおよそ半分がマキラドーラである。メキシコ政府は1965年にマキラドーラ・プログラムを発足させ、それ以降マキラドーラは進化を続けている。なかには、テクニカルセンターを移転するケースなども見受けられる。2000年代のアメリカ経済の不況により、マキラドーラは深刻な危機に見舞われたが、自動車産業に限ってみればその影響は小さい。