日本臨床スポーツ医学会誌
Online ISSN : 2758-3767
Print ISSN : 1346-4159
ジュニア競泳選手の筋柔軟性および関節弛緩性の年代差および性差
鈴木 雄太奥田 鉄人三瀬 貴生國分 裕一栗木 明裕髙山 弘幹前田 慶明浦辺 幸夫
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キーワード: 競泳, 筋柔軟性, 関節弛緩性
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2023 年 31 巻 1 号 p. 122-130

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抄録

本研究の目的は,地方ジュニア競泳選手の全身の筋柔軟性や関節弛緩性の年代差および性差を確認することである.6 府県のスイミングクラブの選手コースまたは中学・高校の水泳部に所属する小学5 年生から高校3 年生までの競泳選手452 名(男性256 名,女性196 名)を対象とし,上肢5 項目,下肢7 項目の筋柔軟性および関節弛緩性を測定した.年代(小5-6 年,中1-2 年,中3-高1 年,高2-3 年)および性別(男性,女性)の比較に二元配置分散分析を行った.年代の主効果が得られた項目では,事後検定としてTukey-Kramer 法による多重比較を実施した.全ての測定項目で有意な交互作用が認められたものはなかった(p>0.05).年代の主効果が得られた項目のうち,筋柔軟性を優位に反映すると考えられるHBD,膝関節伸展位での足関節背屈角度は高学年で柔軟性の低下を示し(p<0.05),関節弛緩性を優位に反映すると考えられる膝関節伸展角度は高学年で関節弛緩性の増大を認めた(p<0.05).筋柔軟性および関節弛緩性の双方を反映すると考えられる肩関節内旋角度,股関節内旋角度は高学年で可動性の低下を示し(p<0.05),TFD は可動性の増大を認めた(p<0.05).また,肩回旋幅,中指間距離,第2 肢位での肩関節内旋・外旋角度,肘関節伸展角度,股関節内旋角度,SLR,HBD,TFD では性差が認められた(p<0.05).

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© 2023 一般社団法人日本臨床スポーツ医学会
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