日本臨床スポーツ医学会誌
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Print ISSN : 1346-4159
ボクシング選手の外傷・障害に対する質問紙調査―男女選手間の検討―
泉 重樹梅下 新介小松 泰喜荒牧 勇石橋 勇佐藤 義裕相澤 徹小山田 裕二
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2023 年 31 巻 1 号 p. 153-161

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抄録

男女のオリンピック型(アマチュア)ボクシング選手を対象に外傷・障害および頭部に受けたパンチによるノックアウト(KO)経験に関するグーグルフォームによる調査を行った.対象は女子選手60 名,男子選手590 名の計650 名であった.外傷・障害部位は男女で有意差が認められ,男子選手は顔面部19%,指12%,手11%と直接打撃の加わる部位の外傷・障害が多かった.女子選手は男子選手よりも外傷・障害経験は少なく,足部・足趾14%,膝関節9%,肘関節8% といった直接打撃の加わる部位以外の外傷・障害も多くみられていた.KO の経験があるものは女子選手で34~48%,男子選手で66~69% であり,女子選手の方が男子選手よりも有意に少なかった.KO 後に症状がみられたものは女子選手で14%,男子選手は36% であり,女子選手の方が男子選手よりも有意に少なかった.本邦におけるオリンピック型ボクシングでは女子選手の方が男子選手よりも外傷・障害およびKO の経験が少ないことが示唆された.

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