2023 年 31 巻 2 号 p. 290-297
バスケットボールにおける足関節捻挫要因である,ポジション(ガード,フォワード,センター),受傷場面(試合,練習),受傷機転(接触の有無及び接触部位(足・足関節部,足・足関節部以外))の3 点を複合的に検討し,足関節捻挫発生率との関連性を明らかにするために,大学女子バスケットボール選手延べ60 名を対象に3 シーズン33 カ月の疫学調査を行った.単一因子での検討では,Forward,試合時,足部同士の接触による発生率がそれぞれ最も高かった.複数因子での検討では,Guard で試合時の足部同士の接触による発生率が最も高かった.単一因子と複数因子の検討間で結果に差異があることから,単一因子ではなく,複数因子によるより詳細な検討の必要性が明らかとなった.