日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
Ia + IIa 型総肺静脈還流異常症術後に発生した肺静脈狭窄の1治験例
厚美 直孝山内 治雄河田 光弘吉井 剛
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2010 年 39 巻 6 号 p. 351-354

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抄録
症例は日齢10の男児.総肺静脈還流異常症(Ia+IIa型)に対して冠静脈洞のunroofingを行い,心房間交通を自己心膜で閉鎖した.術後に肺静脈狭窄(PVS)が進行したため生後5カ月で再手術を施行した.左房内から共通肺静脈に切開を加え,左房との交通を拡大した.しかし再びPVSが進行したため,生後9カ月で再々手術を施行した.前回と同様に左房内からアプローチしたが,左房後壁と共通肺静脈の前壁および3本の肺静脈の前壁を肺門方向に大きく切除した.垂直静脈は切離して左心耳に吻合した.術後の心エコーでは,4本の肺静脈血流がそれぞれ独立して左房へ還流する所見が得られた.術後4年を経過したがPVSの再発を認めていない.左房内からのsutureless techniqueにより肺静脈の合流に伴う乱流を軽減し,PVSの再発を防止できたと考えられた.
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