日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
冠動脈起始異常を合併する大動脈弁閉鎖不全の1手術例
小島 望伊藤 智村岡 新小西 宏明三澤 吉雄
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2011 年 40 巻 1 号 p. 10-13

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抄録
冠動脈の先天異常は稀ではあるが,不整脈などに起因する突然死をもたらすだけでなく,大動脈弁手術などの際には冠動脈損傷の危険因子となり得る.今回,我々は大動脈弁閉鎖不全症例で右冠動脈が左冠動脈に隣接して起始し狭窄を来した症例に対して大動脈弁置換術と冠動脈バイパス術を経験したので報告する.症例は62歳の男性で2年前から大動脈弁閉鎖不全症と診断され,経過中に大動脈弁逆流の進行が見られたため,手術の方針となった.術前の冠動脈3次元CT検査では右冠動脈の起始異常(Shirani分類IB2)と狭窄が確認された.右冠動脈には狭窄があり,右冠動脈の血行再建術も行った.術中術後経過は良好で,グラフトの開存も確認された.
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