日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
CD-DST 法を適用した下大静脈原発平滑筋肉腫の1例
近藤 庸夫山本 正樹西森 秀明福冨 敬割石 精一郎木原 一樹田代 未和渡橋 和政
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2013 年 42 巻 2 号 p. 124-127

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抄録
CD-DST法(collagen gel droplet-embedded culture drug sensitivity test)は,摘出した腫瘍を用いて抗癌剤の感受性を評価する検査であり,テイラーメイドな化学療法を可能にする.これは下大静脈原発平滑筋肉腫のように稀な腫瘍では有効な手段になりうると考えられる.これまでCD-DST法を下大静脈原発平滑筋肉腫に適用した報告はわれわれが調べる限りではほとんどなく,今回その1例を報告する.症例は61歳女性で腹痛を主訴に近医を受診し,CTで下大静脈原発腫瘍を指摘された.腎静脈下の下大静脈を腫瘍とともに切除し,16 mm ePTFEグラフトを用いて再建した.病理組織検査にて平滑筋肉腫と診断された.摘出標本からCD-DST法を施行し,CDDP, VP-16, ADR, VDSの4剤で感受性を認め,CPA, VCR, MMC, CBDCA, TXL, TXTでは認めなかった.術後経過は良好で術後3カ月で再発は認めていない.再発の際にはこの結果を参考に化学療法を行う予定である.
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