日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
島状再建による全弓部置換術後11年目に巨大な弓部吻合部仮性動脈瘤をきたし再手術を施行した1例
松浦 良平堤 泰史門田 治上仲 永純谷口 智史田中 健史佐村 高明大橋 博和
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2015 年 44 巻 4 号 p. 232-236

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抄録
全弓部置換術後11年目にきたした巨大な弓部吻合部仮性動脈瘤に対して再手術を施行した稀な1例を経験した.症例は68歳男性.2003年(56歳)慢性大動脈解離に対して他院にて弓部3分枝島状再建による全弓部置換術が施行され,その後近医にてフォローアップされていた.特に症状はなかったが,長期間経過しておりCTを撮影したところ,81 mmの巨大な弓部吻合部仮性動脈瘤と大動脈基部拡張,冠動脈病変を指摘された.他院では手術困難であり,当院に紹介受診となった.右腋窩動脈・大腿動脈送血,大腿静脈脱血で体外循環確立し,選択的脳還流下に再全弓部置換+大動脈基部置換+冠動脈バイパス術を行った.術後一時期呼吸不全にて再挿管を行ったが,その後の経過は良好で術後50日目に退院となった.本症例のような島状再建法を施行した場合には遠隔期に仮性瘤が発生する可能性があり,術後も厳重な観察が必要である.特に慢性解離症例では初回手術時に極力大動脈壁を残さないような再建方法を十分検討する必要がある.
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© 2015 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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