日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
心臓外に発育した心房中隔原発血管筋脂肪腫の1例
柳澤 淳次前川 厚生澤木 完成星野 理林 泰成所 正佳伊藤 敏明
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2015 年 44 巻 4 号 p. 237-240

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抄録

症例は58歳男性.労作時の胸部不快感を主訴に近医を受診し,心臓超音波検査で左房を圧排する腫瘤影を認めたため当院に紹介された.胸部造影CTでは大動脈基部の右背側に造影早期層で低吸収域を呈し,遅延造影される53×55×66 mmの腫瘤を認めた.体外循環使用下に腫瘍を切除した.手術所見は心房中隔から発生し頭側に心外発育した腫瘍であった.病理組織検査で血管筋脂肪腫と診断された.血管筋脂肪腫は,腎臓や肝臓に認められ結節性硬化症に関連する良性腫瘍として知られており,心臓原発は数例しか報告がない.また,心腔内に認めるものがほとんどであり本症例のように心外に発生する腫瘍は非常に稀であるため報告する.

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