日本心臓血管外科学会雑誌
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[先天性疾患]
大動脈基部置換術7年後に弓部大動脈瘤を生じた Loeys-Dietz 症候群の1例
林 潤五味 聖吾内田 徹郎浜崎 安純黒田 吉則山下 淳中村 健渡邉 大介中井 信吾小林 龍宏貞弘 光章
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2017 年 46 巻 4 号 p. 157-160

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抄録

Loeys-Dietz症候群(LDS)はMarfan症候群(MFS)よりも若年で大動脈瘤や大動脈解離を発症することが臨床的に問題となる.今回われわれは,大動脈基部置換術7年後に弓部大動脈瘤を生じたLDSの1例を経験したので報告する.症例は14歳女性.7歳時,大動脈弁輪拡張症,上行大動脈瘤に対しFreestyle弁による大動脈基部置換+上行大動脈人工血管置換を施行された.その後TGFBR 1,Exon 9,R487 Qの変異が同定され,Loeys-Dietz症候群と確定診断された.14歳時,弓部大動脈に最大短径70 mmの大動脈瘤を認め再手術の方針とされた.瘤は上行大動脈人工血管遠位から左内頸動脈起始部に至る弓部大動脈瘤であった.左総頸動脈と左鎖骨下動脈の間で遠位側の断端形成を行い,Jグラフト20 mm 4分枝付きを用いて腕頭動脈と左内頸動脈を再建する部分弓部置換術を施行した.術後は有意な合併症なく経過し,2年経過で新たな瘤形成なく経過観察中である.LDSに対する外科治療介入後は,残存大動脈にも新たな病変が生じ得るため,厳密な経過観察が必要であると考えられた.

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