日本心臓血管外科学会雑誌
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[成人心臓]
重症筋無力症を伴う胸腺腫術後17年目に発症した胸腺癌による収縮性心膜炎の1例
洪 雄貴松江 一梶山 哲也石田 勝佐藤 尚司松田 暉
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2017 年 46 巻 6 号 p. 277-281

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抄録

重症筋無力症に胸腺腫を伴う例は重症筋無力症の約20%で認められ,全例で胸腺拡大摘出術が推奨されている.術後遠隔期に遺残胸腺による胸腺腫の再発を認めることがあり,稀に胸腺癌が発症することも報告されている.症例は69歳男性.既往歴に重症筋無力症があり拡大胸腺摘出術を約17年前に施行されている.労作時息切れの精査で,経胸壁心エコー検査を施行し収縮性心膜炎を疑われ当院紹介となった.胸部造影CT検査で心膜の肥厚および心膜上の多発する軟部腫瘤を認めた.また,心臓カテーテル検査で左心室のdip and plateau波形を認め,収縮性心膜炎の診断となった.同診断で心膜切除術を施行し,経過良好で術後24日目に独歩退院となった.術中に採取した軟部腫瘤病変および心外膜の病理検査で胸腺癌の播種による収縮性心膜炎の診断となった.胸腺癌による収縮性心膜炎の報告例はこれまでになく,きわめて稀な症例であるため文献的考察を含めて報告する.

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