血管ベーチェット病に合併した炎症性胸部大動脈瘤に対してTEVARを施行し,良好な経過をたどった症例を経験したので報告する.症例は71歳男性.30年前よりベーチェット病で,ステロイド加療中であった.近医で胸部大動脈瘤を指摘され当院紹介.来院時には炎症反応の著明な上昇を認めたが,血液培養では陰性であり,術前のガリウムシンチでは活動的な炎症性集積は認めなかったため,炎症性大動脈瘤の診断で加療を行う方針とし,炎症のコントロール後にステントグラフト内挿術(TEVAR)を施行した.胸部大動脈は高度粥腫を伴っており,瘤は2カ所存在した.限局性解離を伴っていた.TEVAR術後,下肢不全麻痺が生じたが,リハビリを継続し現在歩行可能である.術後1年のフォローで,再発・拡大,吻合部仮性瘤は認めていない.