2018 年 47 巻 6 号 p. 267-271
ステントレス生体弁(SOLO SMART)はステント生体弁に比べて有効弁口面積が大きく,圧較差が少ないため血行動態的に有利と考えられている.われわれの施設では21 mm以下のステント生体弁19 mmしか使用できない症例では,SOLO SMARTをAVRにおける選択肢の1つとして用いている.しかし不均一なValsalva洞を伴う二尖弁症例では,人工弁を均等に縫合するための指標が乏しく,正しい位置に配置が困難であるため,推奨されていない.今回われわれは,二尖弁AS症例に対して術前のCTデータから大動脈基部を3次元計測し,人工弁の適切な縫合位置を術前に決定したうえでSOLO SMARTによる生体弁置換術を行い,良好な結果を得たので報告する.