日本心臓血管外科学会雑誌
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[成人心臓]
大動脈弁位感染性心内膜炎による左室右房交通症の1例
峠 幸志重久 喜哉下石 光一郎
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2018 年 47 巻 6 号 p. 284-288

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抄録

左室右房交通症はGerbodès defectとも呼ばれ比較的稀な先天性の疾患であるが,稀に後天性のものとして感染性心内膜炎,心筋梗塞,外傷,先行する心臓などの合併症として報告がある.われわれは大動脈弁位感染性心内膜炎に起因する左室右房交通症の1例を経験したので報告する.症例は69歳,女性,大動脈弁位感染性心内膜炎に伴う重症大動脈弁閉鎖不全症に伴う鬱血性心不全の診断で当院循環器内科に入院となった.心不全に対する利尿剤の投与ならびに厳重な抗生剤投与にもかかわらず,心不全症状が改善しないため手術適応と判断された.左室右房交通症は弁上型であり左室側,右房側から交通孔をパッチ閉鎖し,大動脈弁については生体弁を用いた弁置換術を施行した.

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