2019 年 48 巻 1 号 p. 39-42
稀な疾患である冠静脈洞型心房中隔欠損(CS-ASD)に対し右肋間経由3ポート完全内視鏡下にパッチ閉鎖を行ったので報告する.症例は15歳男性.肺体血流比2.0以上のCS-ASD(unroofed coronary sinus : type IV)の診断で手術適応となった.右第4,第3肋間に3 cmの主創,3D内視鏡ポート,左手器具ポートの3ポートを配置し右大腿動脈送血,右大腿静脈経由2ステージ脱血,心停止下に手術を行った.CS-ASDを右側左房切開経由で視野展開し牛心膜パッチ閉鎖した.手術時間1時間52分,術後経過は良好であった.CS-ASDに対する過去の手術報告では右房切開が一般的であるが,右肋間経由右側左房切開はCS-ASDの露出が非常に良好であった.