倉敷中央病院心臓血管外科
2019 年 48 巻 2 号 p. 107-110
(EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksとの互換性あり)
(BibDesk、LaTeXとの互換性あり)
症例は72歳男性.大動脈弁狭窄症で経過観察されていたが,胸部絞扼感の精査で冠動脈3枝病変を指摘され,手術目的で紹介となった.術中,大動脈弁,大動脈内膜,冠動脈に黒色変性を生じており,大動脈弁の黒色部には高度の石灰化を,冠動脈黒色部には石灰化を伴う狭窄病変を認めた.術中所見より再度病歴を聴取し,既往歴,身体所見からきわめて稀な疾患であるアルカプトン尿症の診断へ至った.現在治療法は確立されていないが,アスコルビン酸大量投与を行い,病勢の遅延化を行い,現在良好に経過している.
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら