2019 年 48 巻 4 号 p. 272-276
症例は66歳女性.最大短径50 mmの上行大動脈瘤のため当科外来に通院中,Stanford B型急性大動脈解離を発症しオープンステントグラフト挿入を併用した上行弓部大動脈人工血管置換術を施行した.術翌日に抜管し2日目より食事を再開したが,左胸腔ドレーンの排液が白濁化および増量し生化学検査所見から乳糜胸と診断した.絶食管理としたが,排液量が多く低蛋白血症の急速な進行も認めたため,術後8日目に完全胸腔鏡下胸管クリッピング術を施行した.術後排液は著明に減少し,食事再開による再燃も認めず,初回術後22日目に独歩退院した.