日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
[大血管]
上行弓部大動脈人工血管置換術後に合併した乳糜胸に対して早期の完全胸腔鏡下胸管クリッピング術が有用であった1例
中垣 彰太上田 哲之外川 正海村田 明大高 慎吾谷 一宏
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 48 巻 4 号 p. 272-276

詳細
抄録

症例は66歳女性.最大短径50 mmの上行大動脈瘤のため当科外来に通院中,Stanford B型急性大動脈解離を発症しオープンステントグラフト挿入を併用した上行弓部大動脈人工血管置換術を施行した.術翌日に抜管し2日目より食事を再開したが,左胸腔ドレーンの排液が白濁化および増量し生化学検査所見から乳糜胸と診断した.絶食管理としたが,排液量が多く低蛋白血症の急速な進行も認めたため,術後8日目に完全胸腔鏡下胸管クリッピング術を施行した.術後排液は著明に減少し,食事再開による再燃も認めず,初回術後22日目に独歩退院した.

著者関連情報
© 2019 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top