2022 年 51 巻 2 号 p. 100-104
胸骨正中切開後の再心臓手術では,胸骨切開時の副損傷が懸念される.昨今,心臓手術において右開胸アプローチや胸骨部分切開といったMinimally Invasive Cardiac Surgery(MICS)が広く普及している.再手術においてもMICSを用いることで,剝離範囲の低減や胸骨切開の回避により副損傷のリスクを軽減することが可能である.われわれは,無名静脈もしくはバイパスグラフトが胸骨と接し,かつ右開胸アプローチが困難と思われた再心臓手術の6例に対して,胸骨下部部分切開を用いて安全に手術を実施することができたため報告する.