2023 年 52 巻 3 号 p. 181-184
78歳,女性.他院で心筋梗塞治療中の際,CTで右側大動脈弓を伴うKommerell憩室(径32 mm)を認め手術目的に当院紹介となった.飲み込みにくさなどの症状があり,Kommerell憩室による食道の圧排を認め,瘤化あるいは今後の破裂の危険性を考慮し手術適応と判断した.手術は,低肺機能であり,frailtyもclinical frailty scale 6と高いため2-debranching TEVAR(右腋窩動脈-右総頸動脈バイパス,左腋窩動脈-左総頸動脈バイパス,ステントグラフト内挿術,左鎖骨下動脈コイル塞栓術)を行った.術後経過は良好で,術後21日目に退院となった.食道通過障害による症状は徐々に改善した.術後2年で大動脈関連イベントは認めなかった.