日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告[大血管]
偽腔血栓閉塞を伴うStanford A型急性大動脈解離に対しRelayPro NBSを用いたzone 3 TEVARが奏功した1例
布施川 真哲, 西岡 成知, 佐々木 啓太, 三浦 修平, 増田 貴彦, 丸山 隆史, 山田 陽, 栗本 義彦, 奈良岡 秀一
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2023 年 52 巻 5 号 p. 335-339

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抄録

Stanford A型急性大動脈解離では,偽腔閉塞型の一部を除き,原則として人工血管置換術が選択される.一方,entryを下行大動脈に認める逆行性A型大動脈解離における手術ハイリスク症例に胸部大動脈ステントグラフト内挿術(Thoracic endovascular aortic repair, TEVAR)が検討される場合があるが,広範囲に偽腔血栓閉塞を認め明らかなentryが確認されない症例に対する有効性は明らかではない.近位下行大動脈偽腔内に限局的に造影効果を認めるStanford A型大動脈解離に対してRelayPro NBSを用いたTEVARが奏功した1例を経験したので報告する.症例は83歳女性.Stanford A型急性大動脈解離と診断されたが,上行弓部大動脈偽腔の血栓閉塞を認め,手術ハイリスク症例であるため保存加療の方針となった.しかし,入院1週間後のフォローCTで近位下行大動脈に限局的な偽腔血流と上行大動脈の拡大を認めた.明らかなentryは不明であったが近位下行大動脈の偽腔開存による上行大動脈拡大を疑い,RelayPro NBSを用いてzone 3 TEVARを施行した.周術期合併症なく術後15日後に自宅退院となった.術後2カ月に行ったCT検査にて上行大動脈の偽腔縮小を認めた.

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