2024 年 53 巻 6 号 p. 339-342
症例1は78歳女性.前医で右冠動脈の閉塞を伴う急性心筋梗塞に対してPCI治療を施行された.翌日に後壁型心室中隔穿孔を発症し,手術加療目的に当院へ搬送された.当院でImpellaを挿入したところ,心拍出量は2.13から2.57へ増加し,Qp/Qsは2.92から1.78へと減少した.Impella挿入2日後に心室中隔穿孔閉鎖術を施行した.術後3日目にImpellaを抜去し,術後22日目に退院となった.症例2は89歳女性.前医で左前下行枝の閉塞を伴う急性心筋梗塞に対してPCI治療を施行された.3日後に前壁型心室中隔穿孔を発症し,手術加療目的に当院へ搬送された.当院でImpellaを挿入したところ,心拍出量は2.29から2.85へ増加したが,Qp/Qsは3.79から3.81に変化したのみであった.Impella挿入3日後に心室中隔穿孔閉鎖術を施行した.術後3日目にImpellaを抜去し,術後22日目に退院となった.2症例ともにImpella挿入後から手術までの間の循環動態は落ち着いていた.どちらの症例も術後残存シャントはみられなかった.急性心筋梗塞後心室中隔穿孔は急性心筋梗塞後の致命的合併症であるが,周術期にImpellaを使用して良好な結果を得た2症例を経験したため,文献的考察をふまえて報告する.