日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
Modified Swan-Ganz Catheter を用いた右心機能評価に関する実験的研究
小野 裕逸成田 敦志長尾 好治竹内 功岩渕 知首藤 邦昭福井 康三小山 浩一鈴木 宗平鯉江 久昭
著者情報
キーワード: 右心機能, 熱希釈法
ジャーナル フリー

1992 年 21 巻 2 号 p. 126-132

詳細
抄録

サーミスターの応答の速い modified Swan-Ganz catheter を用いて右心機能評価を試みた. 対象は冠動脈多重結紮法により作成した左心不全犬12頭 (A群) と, 右心不全犬12頭 (B群) である. おのおの容量負荷を加えつつ結紮前・後の各種血行動態について検討した. A群では左房圧一定という測定条件下で, 左心不全によりRVEF, RVSWIは有意に低下した. しかし, peak RVP/RVESVIには有意な変化は認められず, 右室収縮力には変化がないと考えられた. B群では右房圧一定という測定条件下で, 右心不全の作成により, RVEF, RVSWI, peak RVP/RVESVIとも有意に低下した. Emaxは前負荷や後負荷に影響されずに心室の収縮力を表す指標とされているが, 臨床例では測定しがたい. 一般に普及している熱希釈法にて, Emaxの簡易式ともいえる peak RVP/RVESVIを求められることの意義は大きく, 開心術後の患者管理に際して有益であると思われた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top