日本心臓血管外科学会雑誌
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動脈グラフトによる冠動脈バイパス術と弁疾患の合併手術
磯村 正久冨 光一平野 顕夫松添 慎一林田 信彦佐藤 了川良 武美大石 喜六
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1992 年 21 巻 2 号 p. 122-125

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抄録
1988年5月から1990年10月の間に冠動脈バイパス術 (CABG) と弁手術を14例に同時に施行した. CABGに動脈グラフト (AG) を使用したものは9例 (AG群) で, 大伏在静脈のみの使用は5例 (SVG群) であった. AG群では, 平均年齢は63.3歳で, 末梢吻合枝数は2.2本であった. 同時に行った弁手術は, 弁置換術を5例に, 弁形成術を4例に施行し, 平均大動脈遮断時間は116分であった. AGは, 内胸動脈 (ITA) を8例, 右胃大網動脈を4例に用い, このうち, 両者の併用は3例で, SVGは5例に併用した. 2例で, pedicled AGが左前下行枝あるいは, 鈍縁枝に到達できず, SVGの併用を行った. AG群とSVG群とでは, 平均年齢, 大動脈遮断時間には有意差を認めなかったが術後カテコールアミンの使用は, AG群3例 (33%), SVG群3例 (60%) で, 有意にAG群に低値であった. AG群では, 術後死亡はなく, 遠隔期NYHAは, I度4例, II度5例へ改善した. CABGと弁手術の同時施行においても, AGの使用により, 術後の症状の改善は良好で安定した手術成績がえられたが, pedicled AGとした場合のグラフトの長さには十分な注意が必要であった.
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