日本心臓血管外科学会雑誌
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冠血行再建術を同時に施行した弁膜手術例の検討
原 陽一上平 聡小林 哲石黒 真吾佐々木 成一郎黒田 弘明森 透
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1992 年 21 巻 2 号 p. 172-176

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抄録
高齢者弁膜手術例が増加するに伴い, 弁膜手術とCABGを同時に施行する症例が多くなってきた. 今回, この同時手術の手術成績と問題点, とくに手術手技, 心筋保護法について検討した. 対象は当科で手術を施行した30歳以上の弁膜症例のうち, 術前に冠動脈の評価がなされていた90例である. CABGを同時に施行した症例は8例 (8.9%) であり, 手術死亡はなかったが, 1例を脳梗塞にて, 術後46日で失った. PMIはなく, 生存退院した7例は, 現在, 術後平均39か月であるが, 狭心痛はなく, 全例にNYHAの改善をみとめた. 一方, 弁膜手術とCABGの同時手術は心停止時間が長時間になることより, 心停止中の心筋保護の重要性が指摘され, 今後, 手術手順, 心筋保護法を工夫することによって, さらに成績が向上するものと考える.
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