1992 年 21 巻 5 号 p. 469-473
活動期感染性心内膜炎に対し, 右心系の弁切除非置換術を施行した3例の術後遠隔期を報告した. 肺動脈弁全切除を施行した1例と三尖弁部分切除を施行した1例では安定した状態にあったが, 三尖弁全切除を施行した1例では, 進行性の右心系の拡大を認めた. 三尖弁位の逆流による右心の容量負荷の増大によるものと思われた. 右心系の弁置換術の遠隔の遠隔成績に問題が残る現在, 三尖弁では可及的に遺残組織による弁形成術か, パッチによる弁再建術を行うことが望ましいと考えられた.